前世は巫女!?−「片づけの魔法」

現在、「片づけの魔法」(著・近藤麻理恵)を実践中です。

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 今流行りの断捨離系の本の一種と言っていい。
考え方の大本は同じで、物を捨てることにより
精神的に豊かになろう、という趣旨の本。
私自身、「片づけの魔法で人生が劇的に変わる!!」という
触れ込みにつられて購入してしまいました。

人生・・劇的に変えられるもの な ら ば、
変えたい・・!

と思っている人は多いのではないでしょうか。

 片づけコンサルタントである近藤氏(“こんまり”さん)、若干24、5歳。
若い!
ただ、片づけが子どものころから趣味で、片づけ歴は10年以上とのこと。
そりゃかなわんわ。
 ご自身でもまさか片づけが仕事になると思わなかったとおっしゃっています。
私も、「片づけコンサル」なる仕事がこの世に存在するんだなあと
一種感慨深いものを感じました。
同時に、あらゆるサービスが出尽くした昨今において、
こういった思いもつかなかったようなサービス業態が
今後もっと現れるのかも、とわくわくもしました。

本の内容は
・片づけを行うとどんな変化があるか
・コンサルした方の例
・実践片づけ方法
  捨てる→整理の順

といった感じでしょうか。

やはり特に惹かれたのは

「こんまり流片づけをしてから、
やりたいことがわかって転職した!起業した!
このままでいいんだ、と再確認した!」

といった「気づき」があり、人生の新しい
ステージが開かれるというところ。

  やはり私も何かを変えたいと思っている一人。
本に沿って、実際に片づけを行ってみました。

 1DKマンションですが、ごみ袋10袋程度は出ました。
人生が劇的に変わったかというと、正直はっきりとはわかりません。
確かに、悩んでいた一つの事柄が、意外なところからはやめに動き出すことになりました。
ただ、自分の中でも最も大きな考え事−職業に関して‐は
いまだに自分探しの旅の途中のような気がします。

 推測ではありますが、本書を読んだだけで、こんまり流片づけを
完璧に行える方は、少数なのではないでしょうか。
片づけを行うにあたり、やはりダレというものがどうしても
出てきてしまいます。
いかんせん独学となるとその弱点が突かれます。
これは勉強と同じですね。
塾やスクールに通わないとなかなか出来ない、という方は多いでしょう。
実際にこんまりさんにコンサルタントを行ってもらうと
厳しい監視下に入りますので、自分を律して片づけができると思います。
それはネット上のこんまりさんの動画を見るとわかります。
あの愛らしいお顔で「とにかくさっさと片づけ終わらせてください!」とか
言われちゃうみたいですよ。

 
 本書は50万部を突破するベストセラーになっているようです。
おそらく他の片づけ本と一線を画すのは、物を捨てる際に
その物を手で触って「ときめくかどうか」で判断する、という点。

 この点は非常に重要で、目標達成を行う際に継続して実践するには
「感情を伴う」必要がある、というセオリーがあるのですが
著者は(おそらく無自覚に)それを踏襲しています。
人は目標を定めて淡々と行っても、「劇的な」結果は期待できない。
しかし何らかの高揚した感情と伴わせることで、その結果を勝ち得るといいます。
 片づけの際に、「この物にときめくか?」と自分の
感情に揺さぶりをかけて、取捨選択する。
そうすることで、「捨てる」という目標達成を強力に進めることができると思います。


 余談ではありますが、本書を読んでふと、こんまりさんは
前世は巫女だったんではないだろうか、ということです。
(私は別に占師でもなんでもないので、勝手甚だしい想像ですが)
 なんでも、コンサルタントを行うため依頼者宅に訪問した際には
床に膝まづいて家に対してお祈りを行うそうなのです。
片づけ成就祈願ですね。
(実際に巫女のアルバイトもされていたそうです)
 また、片づけという行為には、儀式的側面があることをみなさんご存じでしょうか。
片づけ、つまりは「掃除」ですが、掃除という行為は
古代中国では、神が降りてくる土地に、ほうきに酒を振りかけて
お祓いをするという儀礼的行為だったそうです。
当時そのような儀礼的行為は、主として巫女が行っていました。
(参考文献:「白川静さんに学ぶ「漢字は怖い」

白川静さんに学ぶ漢字は怖い

白川静さんに学ぶ漢字は怖い

)


そんな風に考えると、片づけの方法にしろ、
こんまりさんが片づけコンサルタントになった事にしろ、
本書が売れるのもなんだか納得がいくものだなあ、なんて
考えてしまいました。


色々と言ってはいますが、本書は私の中では好きな本の一つ。
効果のほどは、おそらく今年中には出るのではないでしょうか。

片づけをするから人生が劇的に変わるのではなく、
人生を変えたい、という読む人の思いが、本書と巡りあわせ、
より良い人生へ導いてくれるのでしょうね。

こんまりさん、若くて、女性で独立してて、しかもかわいい!
これからもがんばって〜!応援しています!


※ ネットの本書書評の一部に、「前半の文章が繰り返しで稚拙」という
批評がありましたが、それは電子書籍で読まれた感想なのではないかと
思います。
おそらく電子書籍の欠点である一覧性の無さが出たのでしょう。
書籍で本書を読んだ場合、確かに前半は著者の経験を通して
こんまり流の片付けがいかに素晴らしいか、若干助長気味に
書かれてはいますが、書籍の場合には「パラパラ読み」という
読み飛ばし術がありますから、それほど気にはなりませんよ。