「片づけの魔法」こんまりさん掘り下げ③
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
昨日に引き続き、こんまりさんこと近藤麻理恵さんをさらに掘り下げてみます。
★こんまりさん考察
一昨日の考察で「こんまりさんが独立するまでのヒストリー本があれば売れるのでは」
と書きました。
じゃあどれくらい売れるのか?
よく考えてみると今の片づけの魔法ほど売れない気がしました。
片づけの魔法は万人受けした本だけど、起業物語に興味を持つのは
同じような境遇を持つ読者には受けるだろうけれど、そのような
関心がない方にとっては購入に至らないだろうし。
ただその層にアプローチする本として、ミリオンセラーまでいかないものの
万単位でのきちんとしたヒットにはなるように思います。
もしくは訴求層を広くして仕事術的な本に仕上げてボリュームゾーンの
働く人向けに出版するのもいいかもしれません。
それでも部数的には同じくらいかも。
あとはちょっと自己啓発的な、風水的な、その辺りが好きな女性向けに
開運、風水、スピリチュアル、きらきら、かわいい、ときめき、自分変わる!
というキーワードに引っかかる層にアプローチするのも同じくらいヒットは
するように思います。
ところでどうしてこんなに「人生がときめく片づけの魔法」が売れたのか?
考えてみました。
①書籍のアプローチ「行為」であり人々の「価値観」の多様性を否定しないものだったから。
例えばスピリチュアル系の本、自己啓発系の書籍というのは、
より強く著者の価値観、人としてのあり方、考え方がどうしても全面に出てしまいます。
稲盛和夫さんの「生き方」やサンマーク出版でいうと「もっとよくなる!」など。
特にそれを否定しているわけではありません。
それはそれでOKなんですが、そこにフィットしない場合は、どこかで本を置いてしまいます。
しかし、片づけの魔法に関しては、その人がどのような価値観か、どのような生活を理想と
しているかを問いません。お城のような生活でもいいし、IKEAでもいいし、モテたい全面の
くらしでもいいわけです。
そこは何でもいい。あなたの考え方でOKというスタンスです。
その理想、その目的に向かってモノを手にしてひたすら「これに私はときめくのか?」と問いかけて
いくわけです。
その多くの人の幅広い価値観を受け入れる広さがある。
否定されない。
ときめく、という言葉にピンとこない人は、気分が上がる、ノるでもいいわけです。
②その行為に費用がかからない、すぐできるから。
行為にアプローチしている本、つまり実用書なわけですから、書籍の分類としては
実用書、料理本や裁縫本、園芸本と同じカテゴリになるわけです。
じゃあ他の書籍よりここまで売れたのはなぜか?
手軽だからです。費用がかからない。思い立ったらすぐできる。
料理であれば材料が必要です。ガーデニングにしても植木鉢と植物とスコップと
雨の日は避けて・・などその行為を行うために買い揃えるものが何かしら必要です。
しかしこの書籍には買いそろえるものは不要、また買うにしても片づけが完了してから。
むしろ新しくキャビネを買ったりせずに、あるもので!やっていこう!
といスタンスです。
これなら、書籍を読んで雨の日でも、夜中でも思い立ったらすぐ行動できるわけです。
これは大きい。
何かを継続して行うときに重要なことの要素として、ひとつは費用がかからないこと。
これは何かを継続して行おうとする時に大事なポイントになります。
いらないと判断したモノを廃棄することに費用はかかりません。
正確に言うと今はごみ袋代はかかりますね。
③すぐに効果を感じやすいから。
何かを捨てるということは、すっきり感がすぐに感じられます。
また、短期に一気に完璧に片づけることをよしとする方法なので、
できた!やった!綺麗!その感動、ポジティブ感情を比較的短い
期間で感じることができます。
これは美容院に行って髪を切ってすっきりしたのと同じ感覚だと思います。
その1時間だけで気分爽快になれる。
それをタダで片づけるだけで獲得できるわけです。
■まとめ!
・人の「あり方」ではなく、人の「行為」「行動」にアプローチする場合には
多様な価値観を受け入れる姿勢でいた方が、万人に受け入れられやすい!
・人の「行為」「行動」にアプローチする場合には、費用がかからない方法で
本を読んでいる環境ですぐに出来ることが、とっかかりと継続には効果的!
・「行為」「行動」をしてくれた人には何か短期的に効果を感じられる仕組みを
作ること!
素晴らしい書籍でした!