働く女性は必読かもしれない

疲れすぎて眠れぬ夜のために を読みました。
2003年の本ですが。

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

女性が働くことに関して新しい視点を投げかけられたように思います。
皆様はどのように思いますか。

引用(長くてすみません)

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女性系メディアは、そういう華やかな成功を収めた働く女性やカリスマ主婦を持ち上げ、「幸せな象徴」にまつりたててきました。(中略)

そのサクセスストーリーと己の現状とのあまりの「落差」に愕然として、傷ついた女性が多いのではないでしょうか。
 男性はそういう意味ではもっと「タフ」だと思います。というのは、男はあまりサクセスモデルと自分を引き比べるという習慣がないからです。
 男は毎日、上司や取引先にお世辞をこね、その一方で部下や下請けからおべっかを使われています。けれど、普通のサラリーマンは、そこで示される敬意が表層的なものに過ぎず、誰からの「心からの敬意」なんか抱いていないことを経験的に知っています。
 男は権力関係に子どもの頃からなじんでいる分だけ、権力関係で傷つかないしかたについても、それなりに経験を積んでいるのだと思います。
 鳥山明井上雄彦が年収何億円と聞いて、「すごいなあ、漫画って儲かるんだな」と思う人は多いでしょうが、だからといって鳥山明井上雄彦を「嫉妬する」ということは男の場合はあまり起こりません。
 そいう「無理なところ」に自分の目標を設定しても、意味がないということを知っているからです。とりあえずの目標は「手の届くところに設定する」というような、せこい「生きる知恵」が男の方には備わっています。
(中略)

 でも、女の子はそうじゃない。若い男性がマスターしている「サクセスモデルといっても、あんまりリアリティないしなあ、でもま明日もオツトメですわ」というような半分本気、半分適当、という微妙な手抜きの仕方については、訓練を受けたことがないんです。「手を抜く」というようなことは訓練を受けないと身につかない社会的技能なのです。実は。
(中略)

ほんとうは「へらへら」こなして頂いてぜんぜん構わないし、そうする方が結果よい場合が多いんですけれど、女性にはたぶんこのやり方がよくわからないのでしょう。
 この「へらへらと質の高い仕事をする」ためのノウハウを知っているか知らないかという違いが同じような社会的プレッシャーを受けながら耐えられる人と潰れる人の違いを生みだしているのではないかとぼくは思います。

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このような文章を読んでも、私自身、このノウハウに関してすごく実感がないのです。女性は「へらへらと質の高い仕事をする」という社会的訓練を受けていない、ということが、どういうことを指しているのか実感として感じられない。
それは私自身がその訓練を受けていないということなでしょう。ちなみに家族にこの件に関して聞いてみると「男はそれはあるかもね」と言っていました。

私自身、常に一生懸命に事を行うことしか知らない、そのやり方しかわからない。上手くポイントを絞って、他は上手く手を抜くということができていないように思います。
同じような思いの働く女性は多いのではないでしょうか。