メンデル―遺伝の秘密を探して―

お久しぶりの更新です。


メンデル―遺伝の秘密を探して―を読みました。
(1822〜1884)

メンデル―遺伝の秘密を探して (オックスフォード科学の肖像)

メンデル―遺伝の秘密を探して (オックスフォード科学の肖像)

  • 作者: エドワードイーデルソン,オーウェンギンガリッチ,Edward Edelson,Owen Gingerich,西田美緒子
  • 出版社/メーカー: 大月書店
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本
  • クリック: 7回
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

メンデル!えんどう豆の!遺伝の!
懐かしいなあ〜と高校時代を思い出しながら
読みました。

面白かったです。
伝記というジャンルを本当に久しぶりに読んだのですが、
あ、これは自分に伝記ブームが来るかもしれんというほど
興味深く読めました。
恐らく筆者が優秀な書き手なのだと思われます。
「オックスフォード 科学の肖像」という科学の偉人の
シリーズものなのですが著者もさまざまなようで、
他の著者のものはなんだかイマイチというのもありました。

内容としては、
まずメンデルは生前は遺伝に関して全く評価されていなかった
という点がポイントでしょう。
死後遺伝の研究者に発見され、評価されるようになります。
メンデルの前にも同じような研究を行っていた研究者はいたようなのですが
メンデルの画期的なところは、遺伝結果にイレギュラーが混じりにくいように
正統な品種を見定めて繁殖させたところと、その繁殖結果を
1:3のように、数学的な視点から一般化してまとめたところにあるようです。

職業としては教会の聖職者及び教師として活躍し、
教会の裏庭で多くの植物を育てていたそうです。
遺伝学以外に実用のための品種改良や気象研究、地質研究など
非常に多岐に渡って活動を行い、生前はどちらかというと
農業的な品種改良などの活動で評価されていたようです。

死後でありますが、この科学的な研究がソ連の共産主義疑似科学によって
否定されてしまうという経緯がとても興味深い。
政治の影響というのは科学やいろいろな分野に影響するのですね。
(後には否定した側もメンデルの功績を認め、称えています)

メンデルの遺伝学は現代において人体の染色体構造を全て明らかにするという
ヒトゲノムプロジェクトに繋がっていきます。
※2003年にヒトゲノム解読完了宣言、2004年に再解読が行われています



この伝記シリーズは読んでいきたいと思います。