ありがとうの経済学

前回の「超マクロ展望 世界経済の真実」を読んでから、
この水野和夫さんって人面白い。もっとこの人の本を読みたい、
と思った経済学初心者の私。

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)

↓こんな本があったので読んでみました。
2010年2月の本。

三賢人に聞く 大不況は日本型資本主義で乗り切れ! (PRIME NEWS BOOKS)

三賢人に聞く 大不況は日本型資本主義で乗り切れ! (PRIME NEWS BOOKS)

三賢人に今後の日本の行方を聞いた
BSフジ番組の書籍です。

一番最初に水野氏の内容が書いてあります。
基本的に前回の「超マクロ〜」で書かれていることと
大本は同じです。
超マクロの方が内容は充実しています。
本書はインタビュー形式での記載で、文字数も少なく、
表面をさらった感じで、私には「これを得た」っていう
ものがあまりありませんでした。

全体的にも内容は薄いと思います。それは多分
私のような経済初心者が読んでも、背景知識がないから
頭に入ってこないからだと思います。
番組では各背景を共通理解として持たれているのかもしれませんが、
いかんせん私は育成中なもんで。

おそらく、経済背景に理解がある方は、本書を読んで
新しい見聞を得られると思います。
水野氏の考え方を知るには、他の本の方がわかりやすいと思います。


ちょっと新しい視点で面白かったのが、田坂広志さんの
部分でした。
どちらかというと学者的な考えの方だと思います。
現場の経営者が読んで果たして共感できるのかは
あやしいですが、面白かったのは、経済には
現在の主流である貨幣経済の「マネタリー経済」と
ボランティア精神から生まれる「ボランタリー経済」があり、
これからはボランタリー経済を重視していけば発展できるという主張の部分です。

まず驚いたのが、「経済」の言葉って、貨幣経済以外でも
使っていい言葉なんだ!ということ。
絶賛「貨幣経済」中の現代において、貨幣以外の経済というものが
あるなんて考えたこともなかったのでした。
そんな私なので、ウィキペディアで調べてみました。

【経済】
経済(けいざい 英:economy、羅:frugalis)とは、
社会が生産活動を調整するシステム、あるいはその生産活動のことである。

世の中にある資源は有限であり、希少性を有する。
社会においてはさまざまな財(商品)が生産され、交換・分配などの
プロセスを経て消費されるが、資源の希少性ゆえ要求されるすべての
商品が供給できるとは限らない。経済はそれらの要求に応じて供給を
決定し、実行するシステムである。


ホントだ!貨幣なんて一言も書いてないじゃん!

へーーーー。


ボランタリー経済を重視していくことで会社経営ができるのか
どうかはひとまず置いておいて、ボランタリー経済という経済空間で
考えてみたとき、お金ではなく、たくさんの「ありがとう」を蓄えている人が
精神的な面で本当に豊かな人、となるのではないでしょうか。

「ありがとう」を集める、このフレーズどこかで聞いたことありますね。
そう、居酒屋ワタミの渡邊美樹社長ですね。
渡邊社長もこの人の話を読んだのかな〜とか思ったりしました。
(多分関係ないです)
ワタミの会社名は、もともと「ダンケ(ドイツ語でありがとう)」という
会社名「ダンケ商事」を社長が推していたそうですが、他の社員が反対したため
ワタ邊ミ樹社長の名前から「ワタミ商事(当時)」になったようです。


さてさて、振り返ってみて、みなさんはどれくらいの人から
「ありがとう」と言ってもらっていますか?
今日何回ありがとうと言ってもらいましたか?
実際はコンビニでドリンク買ったときにレジの店員さんに
(あくまで事務的に)言われたくらいなんじゃないでしょうか。
はたまた自販機のアナウンスの音だけだったりして。

思ったより「ありがとう」と集めるのは簡単なことではないのかも
しれません。


身近な人に「ありがとう」と言ってもらうにはどんなことをしたらいいか。
一度考えてみるのもいいかもしれません。
どんなことをしたら奥さんや子どもは喜ぶかな?
恋人はありがとうと言ってくれるかな?
両親の感謝の言葉が聞けるかな?
友人、知人、袖がふれあった人・・・

身近に見当たらなければ、未来の自分がありがとうと言ってくれるように、
投資として勉強する、過去の自分がありがとうと言ってくれるように
過去の痛みを癒してあげる、
そんな風に考えても楽しいですね。

ってことで、私は今しがた家族の肩を揉んできました。
1円ならぬ、「1ありがとう」GETです!

「ありがとう」

言ってもらえると嬉しいものですね。