ワイルドスワンを読み終えました。

ワイルド・スワン(下)

ワイルド・スワン(下)

ワイルドスワンを読み終えました。

中国1930年代くらいからの女三代記です。

中国の戦争や共産主義に翻弄された家族を
克明に描いています。

私は中国の毛沢東時代には生きていませんでしたので
当時の日本の社会情勢は身をおいてはいませんが
本書によって中国の共産党政治の悲惨さが暴かれたのであれば
いかに他国に中国の内情が他国伝わっていなかったが
わかります。
本書の衝撃たるや凄まじいもでのあったことでしょう。
(1993年発行)

それほど遠い時代のことではなく私の両親が生きていたころのことで、
当時の中国と今の中国は大きく変わってしまったとえど
変わらずに息づいているものも多くあるのではないでしょうか。

印象に残っているのが、中国人の話の展開の仕方で特徴で、
(毛沢東などの)文章の都合のいい部分だけをつなぎ合わせて
本来言及していることと全く違うことを、さも
正しいことかのように訴えることであるという部分です。

その例かと感じたのが、近頃くすぶっている尖閣諸島の所有権の問題です。
何でも中国側は、(おそらく当時)日本は地図に尖閣諸島を記載していなかった、したがって
日本の領土ではない、という言い分です。

もっともらしいように感じますが
「地図に尖閣諸島を記載していない」という文と「日本の領土ではない」という文の間に
大きな論理の飛躍があります。
上記の2文が順接でつながるのであれば、「地図に記載していない土地は領土としない」という
論理を証明する必要があります。
その論理を証明することなしに、(周知の事実でもないのに事実のように)2文をつなげることは
できません。

身近な例をとりましたが、中国人が権益が絡む場面で主張をする場合
上記のような都合のよい文だけを持ってきて文をつなぎ合わせる
という手法が使われている可能性があります。
その場合には論理の飛躍があることを十分に注意して飲み込まれて
しまわないように注意する必要がありそうです。


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色々な方とお話をする機会が持てたらいいと思っています。