ひとりでは生きられないのも芸のうち

ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

題名がおひとり様の老後を提唱した上野千鶴子氏への
批判の意味を込めているそうです。

内田氏の、上野氏の主張する「おひとり様女性の老人集団」は
勝ち組働く女性のみに適用されるものであって、いわゆるその勝ち組に
なれなかった女性は入れてやんないよ、という姿勢は
人間が社会集団として生きていく上で間違っているだろうと指摘しています。

私もその通りだと思いました。
おひとり様の老後を読んだとき、女性同士、老後をみとる
女友達がたくさんいて・・みたいな下りが、いやまあ
あなたみたいな女性集団の中心的存在はいいかもしれませんが
人間そんな人達ばっかりじゃないよ、と勝ち組になれなかった女性に対して想像力を使えない著者に少し悲しくなったんですよね。
フェミニズム強者である上野氏を好意的にとらえていた私にとっては
そんな感想を持った本であったので
内田氏の指摘は的を射たものであると思います。
基本的に内田氏は上野氏を適宜批判しています。

おひとりさまの老後